Innocent kNights -夢の管理人の仕事-
フェザーギルドと同時期に書いたものの書き直し版です。
フェザーギルドよりこっちの方が長いのは、ファンタジー要素が含まれているから……だと思いたいです。
「なんか人が夢見てる時にうようよ出てきて、それを退治する人々とか居たら童話みたいで面白いなあ」
……と思ったのは災いなのか(ry
とは言っても、大本は別にこういう話ではなく、闘うのは殊子だけでした。扇は全くの一般人。
と言うよりも扇が感染者にあたる存在でした。
書き直すにあたってそのままの設定では巧く出来そうになかったので、扇も殊子と同じ存在になりました。
でも二人の性格とか関係とかは余り変わっていないです。兄妹コンビ。
今回は珍しく「女が前衛、男が後衛」というコンビですが、これには深い意味はありません。
単に「接近戦では無能な魔法使いの男の子」をやってみたかっただけです。
しかしそういう設定を作った事で面白く書けた部分はあったのですが、逆にそういうシーンになると全く扇が動かなくなる、という欠点があったことに気付きました。
もっと頑張れよ主人公。いや無理か。
主軸となる二人は、実は他の話の主人公達と比べて結構「冷めた」性格だと私は思っています。
人の夢を護る仕事をしているから、様々な人の心に触れ、その分ある意味で世界を割り切っているのだと思います。
あくまで彼等が護るのは人が未来に叶えたい夢ではなく、夜に見る夢。
もう叶えられない夢を何時までも夢に見る少女と、その夢を叶えたいと思うのに夢から先には決して繋げる事の出来ない少年。
そんな彼等が護っていく夢は果たしてどんな夢なのか。
ちょっと重たいんだけど微妙に童話っぽければ良いな、と思いながら書きました。
最終的には全く童話ではなくなっていましたけど。
タイトルの「Innocent kNights」は、「無邪気な夜」と「おめでたい騎士達」という二つの意味を持っています。
人に安らぎを与える夜に舞い降りる二人の不思議な騎士。そんなイメージです。
元々は普通の「Nights」だったのですが、加筆修正にあたってちょっと皮肉なタイトルにしたいと思ったので。
「k」が小文字なのは、「騎士にするには不安定な存在」というこれまた皮肉な意味を持っていたりします。
上記タイトルと本編のタイトルが微妙に違うのは、何となくあっちに入れたくなかったからです。
実は世の中には人知れず闘っている不思議な存在は幾つも存在するんだよ。
そういう感じ。