フェザーギルド




 大本は中二の頃に書いたほんのちょっとの話でした。
 それが書き直してみれば全く違う話になってこんなに長くなりました。
「どうせ書き直すならもっとぶっ飛んでて非現実なやつが良いな」
……と思ったのは、幸いなのか災いなのか。
 よく解りませんが、何時の間にかこんなことになっていました。


 大本の中二時代、何故か雷筌はとても人気でした。
「弓道部が良い!」と、袴を着た絵まで描いてくれた友人まで居ました。
 ごめんなさい、彼は元陸上部で美術部です。
 一体あの少年の何処にときめきを覚えて頂けたのか、私にはさっぱり解りません。
 もしくは彼の苦労人っぷり、保護者っぷりにときめき……だったのでしょうか。どうなんでしょう。


 子供の頃の世界は本当に広くて、何でも出来そうな感覚で満ち溢れていました。
 望めば空だって飛べそうなくらい、無茶な事をしてもどうにかなりそうな気がしていました。
 歳をとるにつれて夢は完全に『夢』になっていって、その感覚は薄れなくなってしまいました。
 それでも子供の世界は広くて広くて、無茶な事だってしちゃうんです。
 そんな感覚で書いたのが、この話だったりします。
 決して自由ではないこの世界で、自由な意思を持つ小さな人間の物語。


 タイトルの「フェザーギルド」は「feather guild」の名の通り「羽飾り組合」です。
 何のこっちゃ、という感じですが、「羽の元に集う子供達」という感じの意味で。
 軽くて仕方ない飛翔の象徴の元に集った三人の子供の物語。
 羽のように舞った金の騒動に巻き込まれた子供達の物語。
 羽に似た雪に思いをはせる子供達の物語。
 そんな感じです。


 せめて彼等には、羽の飾りをつけて架空の時代を舞って欲しいのです。